子供のランドセルに防犯ブザーは必須!正しい選び方と付け方は?

いまや防犯ブザーは、登下校時の必需品です。最近ではほとんどのランドセルに、防犯ブザー用の金具がついています。

そのため売られている防犯ブザーの種類も多く、音量やデザイン、鳴らし方などさまざま。「一体どれを選べばいいの?」と悩む親御さんも少なくありません。

そこで今回は、役立つ防犯ブザーの選び方や付け方などについてまとめました。ぜひ参考にしてください。

子供に持たせたい「防犯ブザー」とは?

防犯ブザーは、大きな警報音を鳴らすことで、周囲にSOSを知らせる防犯グッズです。

幼稚園や保育園のときと違って、小学生になると一人で行動することも増えます。あってはならないことですが、登下校時に不審者に連れ去られそうになったり、トラブルに巻き込まれたりする可能性もゼロではありません。

助けを呼びたい、でも恐くて声が出ない……そんなときに役に立つのが、声の代わりをしてくれる防犯ブザーです。

自治体によっては、防犯ブザーが入学時に無料配布されるところもあります。ただし事前に購入しておくと安心です。

防犯ブザーは、大型ショッピングモールの学用品コーナーや、ホームセンターの防犯グッズコーナーなどに売られています。ランドセルを購入するときに、あわせて用意しておきましょう。

防犯ブザーの選び方

防犯ブザーにはさまざまな種類があります。子供の防犯対策として使うには、どのようなもの選べばいいのでしょうか?重視したいポイントを3つ紹介します。

(1)音量の目安は「80~100デシベル」

防犯ブザーは、危険を周囲に知らせるものです。ある程度大きな音が出ないと周囲の音にかき消され、いざというときに意味がありません。「80~100デシベル(dB)」のものを選ぶことをおすすめします。

dBとは、音の大きさを表す単位です。値が大きくなるほど、音が大きくなるということです。

目安としては、テレビを大音量にすると、およそ80デシベルです。電車が通るときにガード下で聞こえる音や自動車のクラクションの音が、およそ100デシベルです。

市販されている防犯ブザーのほとんどが、80~100デシベルに設定されています。ただし購入するときに、念のため確認するようにしましょう。

音量だけではなく、音が鳴り響く時間も重要です。警察庁では「85デシベル以上、連続で20分間鳴る」防犯ブザーを推奨しています。購入時は、音量と連続吹鳴時間をチェックしてください。

 

(参考)警察庁「性能基準に適合する防犯ブザーのサンプル音について」
https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki67/index.html

(2)操作が簡単で、使いやすいもの

防犯ブザーは、いざというときにすぐ使えなければいけません。子供でも簡単に使えるものを選びましょう。

防犯ブザーの鳴らし方は、大きく分けて「ボタンを押す・ひもを引っ張る・ピンを引き抜く」の3通りあります。子供がスムーズに使えるものを選んでください。

ボタンを押すタイプ

ボタンを押すだけで、音を鳴らすことができます。ボタンを長押しするタイプや、二つのボタンを同時に押すタイプなどがありますが、基本的に操作が簡単です。小学1年生でも扱いやすいのがメリットと言えるでしょう。

ただし音が鳴るのは、ボタンを押している間だけ。手を離すと音が止まってしまいます。最近では、ひもやピンがついたものも出ていますので、併用できるものを選んでおくと安心です。

ひもを引っ張るタイプ

ひもを引っ張るだけで、音を鳴らすことができます。ひもが長いので、ランドセルにつけておくと簡単にひもを引くことができるのがメリットです。防犯ブザーを持っていることが一目瞭然なので、防犯効果を期待することもできます。

ただし万が一のことがあった場合、犯人にひもを引っ張られて、首に巻きつく可能性もゼロではありません。引っ張られた際に、すぐに外れるタイプのものを選んでおくと安心です。

ピンを引き抜くタイプ

ピンを引き抜くことで、音を鳴らすことができます。再度ピンを差すか電池がなくなるまで音が止まりません。いざというときには、抜いたピンを遠くに投げることで、警報音を鳴り続けさせることができます。「音が止めにくいこと」大きなメリットです。

ただし誤ってピンを抜いてなくしてしまうと、電池を抜かない限り、音を止められなくなります。ピンを引き抜くタイプを使うときは特に、使い方についてしっかり説明しておきましょう。

(3)丈夫で壊れにくい

防犯ブザーは、毎日ランドセルにつけたまま使うものです。いつどこで壁にぶつけるかもしれませんし、やんちゃな男の子だと多少乱暴に扱うこともあるかもしれません。丈夫に作られているものを選びましょう。

毎日の登下校の中で、雨に濡れることもあるかもしれません。防水機能のあるものを選んでおくと、雨の日も安心して使えます。

できれば目立つものを選ぶとベター

防犯ブザーは、非常時に使うものです。と同時に、「持っていること」が分かるだけでも、犯罪を抑止する効果が期待できます。

先ほど紹介した3つのポイントをクリアした上で、できれば一目見たときに、つけていることが分かりやすいのを選ぶことをおすすめします。

たとえば色に関しては、ランドセルと同じ色ではなく、反対色や蛍光色の防犯ブザーを選ぶと目立ちます。たとえば、男の子の黒いランドセルなら白や蛍光イエロー、女の子の赤いランドセルなら蛍光グリーンといった具合です。

また、冬場の夕方は薄暗くなります。学童保育で帰宅が遅くなる子供なら、車のライトに反射するタイプを選ぶのも一つの手段です。

購入後にしておきたいこと

防犯ブザーは、買って終わりではありません。購入後にしておきたいことを3つお伝えします。

(1)使いやすい位置につける

防犯ブザーは、いざというときにすぐ手が届く場所につけることが大切です。子供と相談しながら防犯ブザーの付け方を決めてください。

最近のランドセルは、肩ベルトに防犯ブザーをつけるための金具が付いています。「右利きなら左側の肩ベルト、左利きなら右側の肩ベルト」というように、基本的に「利き手と逆側の肩ベルト」がおすすめです。

逆に、次の2つはNGです。

NGの付け方(1)ランドセルの側面

防犯ブザーの付け方で避けたいのが「ランドセルの側面」です。手が届きにくく、いざというときに音を鳴らせない可能性があります。

NGの付け方(2)首から避ける

防犯ブザーを、首から下げるのもNGです。遊んでいるときに遊具に引っかかったり、もしものときに犯人に首をしめられたりする危険性があります。

 

いざというときにすぐ、しかも安全に使えるよう、防犯ブザーを正しく付けましょう。

(2)鳴らす練習をする

防犯ブザーをどこに付けるか決まったら、親子で防犯ブザーの音を鳴らす練習をすることをおすすめします。何をすれば音が鳴るのかをしっかり把握して、さっと反応できるようにしておくことが大切です。

ただし当然ながら、かなり大きな音が出ます。必ず音の止め方をチェックしてから、鳴らす練習をするようにしてください。

(3)定期点検をする

防犯ブザーは消耗品です。知らない間にぶつけて壊れることもありますし、実際に使わなくても電池は減っていきます。電池残量が減っていると、「音が小さい」「音が割れる」といったトラブルが起こることもあります。

いざ使おうとしたときに故障していたり、電池が切れていたりしては、防犯ブザーの意味がありません。ちゃんと使えるか、定期的に確認しておきましょう。

できれば1か月に1回は、問題なく使えるかを確認するのが理想です。少なくとも、学期の始まりなどタイミングを決め、電池交換や動作確認を行うようにしてください。

また、購入時に入っている電池は、「出荷時のテスト用」であるケースも多々あります。入学前には新しい電池に替えておくことをおすすめします。

年々、子供をめぐる犯罪が増えています

 

親世代だと、防犯ブザーをランドセルにつけていた人は少数派でしょう。そのため「防犯ブザーって、本当に必要?」と感じる人もいるかもしれません。

近年ニュースでも取り上げられるように、子供をめぐる犯罪はどんどん増えています。大手セキュリティサービス会社「ALSOK」の調査によれば、登下校中あるいは外出中に「怖い目に遭ったことがある」児童は、およそ70人に1人。「全体の1.4%」の児童が、身の危険を感じたことがあるという計算です。

また、被害にあった時間帯でもっとも多かったのが「下校中」の47.5%、およそ半数です。「登校中」と答えた児童も9.7%いました。

強引に手を引かれたり、無理やり連れて行かれそうになったりすると、恐怖で身がすくんでしまうことでしょう。子供の安全を守るためにも、防犯ブザーをつけておくことをおすすめします。

 

(参考)セキュリティのALSOK TOP防犯コラムALSOKアンケート第3回 担任の先生に聞く、小学生の防犯に関する意識調査https://www.alsok.co.jp/security_info/enquete/17.html

まとめ

防犯ブザーは、万が一のときに子供を守ってくれる防犯グッズです。「80~100デシベル」の大音量が出て、本人が使いやすいものを選びましょう。一人で習い事に通うなら、持って行くバッグにも同じものをつけておくと安心です。

なお新1年生の場合、誤作動で防犯ブザーを鳴らしてしまうこともあります。慌ててしまうと気が動転してしまうかもしれません。「鳴らし方」と同時に、「止め方」もしっかり練習して、万全な状態で入学を迎えましょう。

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