東京銀座黒川鞄社長インタビュー ランドセル作りのこだわりを聞いてきた!

北陸富山で120年に渡り鞄を作っている黒川鞄。

今回は東京銀座の黒川鞄ショールームにお邪魔してきました。

黒川鞄の5代目オーナーであり、スーパークリエイティブディレクター、鞄職人でもある黒川由朗(くろかわ よしお)社長に、黒川鞄のランドセルついてお話を伺ってきましたよ。

 

黒川鞄とは?

黒川鞄は明治28年富山で誕生しました。

多くのオリジナル商品ラインナップの中で、ランドセルに強いこだわりを持ち、独自のポリシーでお客様のベストな製品を作り続けています。

素材にこだわり、熟練の職人が丁寧に手作りを続けている黒川鞄のランドセルは生産数は限られているものの多くのファンを持ち、子供の成長に寄り添い愛されてきました。

 

黒川社長
ユーザーさんにベストなものは何かを考えることですね。ランドセルはただのものを入れるための入れ物ではなく、学用品だと考えています。きらびやかなものなども多いですが、6年間しっかり使うことができて、愛着が湧くもの、子供の成長に寄り添えるということを大事にしています。
黒川鞄は工房系に多い懐かしさというテイストも踏襲していますが、「懐かしい、でもどこか新しい」という懐かしさの中に便利な機能も含んで、ユーザーさんが使いやすいように進化させています。
大半の人にはランドセルは一生に一個のもの。
6年間毎日使うものなので、愛着が湧くものを提供したいと思っています。

黒川鞄公式サイト

 

黒川鞄は工房系ではなく本物の工房だった!

ランドセルを選ぶ際によく耳にする工房系。

工房系を謳っているランドセルメーカーはいくつもありますが、生産数の向上のため現在は分業制になったりしているメーカーもあるなか、黒川鞄のランドセルはいまでも職人さんの家にある畳敷きの作業場でひとつずつ手作りで作られています。

出展:黒川鞄公式サイト

黒川社長
黒川鞄では、今でも職人さんの工房で一つ一つランドセルを制作しています。一人の職人さんが革の裁断から最終的な検品まで受け持つことによって、クオリティの高い、ランドセルを供給することができるのです。

 

黒川鞄のランドセルはどんなもの?

黒川鞄では体感重量を軽くする形状や(肩ベルト)、持ちやすさを重視した取っ手(リフトハンドル)、暗い日も安全に通学できるよう反射板を縫い付けるなどのさまざまな工夫を凝らしています。

工房系に多いレトロな雰囲気を持ったランドセルでありながら、機能性は上げつつ、しっかりした技術でランドセルを作りで子供の小学校生活6年間をサポートしてくれるのです。

昔ながらの技法だけに固執せず、現代の子どもたちが安全に快適にランドセルを利用できるよう、考えてくれているのです。

 

黒川鞄のランドセルの特徴については、こちらの記事で詳しく解説しています。

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黒川社長
お客様が黒川鞄に望まれるのは、コードバンのランドセルです。しかし、コードバンは材料も希少なので金額も高くなり、技術的にも難しいということで数のご提供も少ないのが現状です。

コードバンとは馬の臀部あたりから取れる皮革で、1頭から取れる量はごく僅か。


財布や靴などに使われることが多い素材ですが、ランドセルのかぶせの部分にできる大きさとなると、10頭以上に1枚取れるかどうかというほど希少。

その希少さからキングオブレザーや革のダイアモンドと呼ばれることもあります。

またコードバンは非常に頑丈な皮革で、牛革の2〜3倍の強度を持っていると言われています。非常に堅く加工が難しい材料なので、高度な加工技術を要するのです。

 

上の写真は実際に6年間使われたコードバンのランドセルです。

肩ベルトの牛革を使った部分には経年の消耗が見て取れますが、カブセ部分は6年間使ったとは思えないほどきれいな状態です。

これがコードバンの魅力でもあり、良さでもあるのです。

 

 

大切に使ったランドセルは形を変えていつまでも

黒川鞄では、6年間使用したランドセルを、ミニランドセルかペンケースにリメイクできるサービスも提供しています。

6年間使ってたくさんの思い出や愛着のあるランドセルを、いつまでもそばに置いておくことができますね。

 

黒革鞄のランドセルお手入れの方法は?

6年間使うランドセル、気になるはランドセルのお手入れの方法ではないでしょうか?

一般的にクラリーノに比べてお手入れが難しいというイメージがありますが、実際のところはどうなのか実際に伺ってみました。

黒川社長
黒川鞄のランドセルは、基本的にはメンテナンスフリーです。特別なお手入れは必要ありません。黒川鞄が雪国富山で生まれ育ったということもあり、雨や雪に強い雪国仕様となっています。クラリーノと同じように濡れたり、激しく汚れた場合に拭き取って貰えれば大丈夫です。

黒川鞄のランドセルは基本的にメンテナンスは必要がありませんが、唯一例外があるそうです。

それは、ランドセルの中に革張りしているもの。

基本的には教科書を入れるスペースなのであまり濡れたものを入れることは少ないと思いますが、万全を期するのであれば、防水スプレーを使うことをおすすめしますとのことでした。

 

まとめ

今回は「東京銀座 黒川鞄」にお邪魔して黒川社長にお話をお伺いしました。

黒川鞄は、こだわりの材料・ポリシーを持ちランドセルを制作されています。

特に希少なコードバンを使ったランドセルに自信をもち、小学校の6年間に寄り添う製品を提供しています。

コードバンのランドセルを制作する高度な技術で、お求めやすい値段の牛革ランドセルも制作販売されているので、興味を持たれた方はぜひ黒川鞄ホームページや店舗をのぞいてみてください。

 

 

今回お話を伺った方

黒川 由朗(くろかわ よしお)社長

有限会社 黒川鞄 代表取締役
黒川鞄工房 主宰
スーパークリエイティブディレクター

 

今回お話を伺った場所

東京銀座 黒川鞄

東京都中央区銀座3-9-11
紙パルプ会館11F(最上階)
TEL:03-3541-9696(サイコウ ヨイ クロクロ)
定休日 火曜日
※8月の旧盆中、通常通り14日(火曜日)のみ定休です。
営業時間 10:00~16:00

黒川鞄公式サイト

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